日常生活でも役にたつ!体に負担のかかりにくい椅子の座り方

レッスン中、こんな座り方をしている生徒さんをよく見かけます。おそらく日常的にこういう座り方をしていると思います。これらの座り方は、体幹や脚など体がうまく使えていません。

そのような座り方では、腕が自由に動かせずうまく弾けるようになりません。さらに、首や肩や腰に負担がかかり、いずれどこかを痛めて日常生活にも支障をきたすかもしれません。

私も子どもの頃は、こんな座り方をしていました。今は気を付けています。
よく見かける座り方と、最後に改善方法を動画で説明します。どうぞ最後までご覧ください!

ピアノを弾かない方も、日常生活でお役立てください。


よく見かける座り方

【その1】腰が落ちて猫背になっている

いわゆる猫背の典型。骨盤が後傾して(=腰が落ちて)います。そのせいで背中が丸まってしまい、頭や顎も下にさがります。楽な座り方のように見えますが、頭の重みで首と腰に負担が行きます。

肩も「巻き肩」の状態で固まってしまい、うまく腕が動かせません。

弾いているうちに、だんだんとこの姿勢になってしまう生徒さんもいます。

悪い座り方10
悪い座り方1

【その2】腰が落ちているうえに、のけ反っている

この座り方は、大人の生徒さんに多いです。お話を聞くと、普段から背もたれに寄りかかって座っている方が多いです。デスクワークの方に多いかな???

この座り方は体幹と脚がうまく使えていません。ペダルを踏むと、音とタイミングが合わないことも多いでしょう。

弾きながらだんだん後ろに反っていく生徒さんもいます。私もそうでした。

骨格模型で見る、猫背の座り方

腰が落ちていると、こんな姿勢になっています!巻き肩にもなっています。

生成AIに作ってもらった画像なので、骨の形や大きさなど、いろいろと間違っています。まぁ、大目に見てくださいw

なお、モデルは最近名前が決まった当教室のマスコット“ボンヌ”です!ボンヌの写真をもとに、生成AIで椅子に座らせてみました。

悪い座り方2

【その3】背中が反りすぎている

腰(骨盤)の位置は良いのですが、背中が反ってしまっています。姿勢を良くしようとしすぎてしまい、全身に力が入っています。この座り方は、首と肩と腰を痛めます。

弾く力が強すぎて、弾きながらだんだん反っていく生徒さんもいます。

この写真は、かなり大げさに反っています。

【その4】足を椅子の横棒に乗せている

床に足が届かない子どもの生徒さんに多いです。レッスンでは足台を置いていますが、椅子の棒に足を乗せています。おまけに腰も落ちてしまっています。

この座り方は、体幹と脚がうまく使えていません。また、鍵盤にぶら下がるような手の置き方になるので、指が思うように動きません。

お家では代用品で良いので、足台を置いて足裏全体がつくようにしてください。時々、足の位置を見てあげてください。

悪い座り方6

【その5】かかとが浮いている

【その4】と似ていますが、もっと大きい子(小学生~高校生)に多い座り方。いずれもかかとが浮いていて(=床についていない)、椅子の脚で支えている子もいます。おまけに腰も落ちています。

おそらく授業中もこういう座り方になっていると思います。体がうまく支えられず、机に肘をついているかもしれません。ピアノだと「鍵盤にぶら下がっている」状態で、これでは速い曲が弾けません。

椅子が高すぎて足が十分に届いていない可能性も。

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悪い座り方8

どうですか?かなりの人がどれかに当てはまっていると思います。見た目も良くありませんね。発表会の演奏写真で、こんな感じに写ってしまった子もいます💦

ですが、これらは簡単に改善できます!この機会に、体に負担のかかりにくい座り方を覚えましょう!きっと集中力も上がるし、指も楽に動きますよ!

そもそも“腰”とは、どこでしょう?

皆さんは、腰はどこにあると思いますか?多くの方がウエスト=腰と認識していますが、違います!ウエストの下、ズボン(スカート)の前ポケットがある辺りをぐるりと一周した所です。大きな骨があるのが分かると思います。その骨が後傾している状態を、ここでは「腰が落ちている」としています。


たったこれだけ!座り方の改善方法

いずれの座り方も、骨盤(腰)を起こすことで改善します。丸まった背中が勝手に伸びて「背筋が伸びた姿勢」になります。巻き肩も直ります。

浮いたかかとも、勝手に床につきます。下がった頭や顎も上に上がり、勝手に理想的な位置にいきます。

体のあらゆる部分が「本来あるべき場所」へ戻り、動きやすくなります。楽器演奏をする方は上達し、勉強や仕事でも集中力があがります!

YouTubeに動画をあげたので、ご覧ください!改善方法は2分3秒から始まります。
BGMは生徒さんの演奏です!弾いてくれてありがとう!またお願いします。
平吉毅州作曲:スタレガ・ラプソディ

たったこれだけです!数秒で改善できます。(乗り物に乗っている時など、背もたれに背中がついている時にこの座り方はできません。乗り物では、安全のためにも背中を背もたれにつけておきましょう)

理想的な座り方になると、こうなります↓

骨格模型で見る理想的な姿勢

ボンヌを今度は、理想的な姿勢で座らせてみました。良くない姿勢と比べてどうでしょう?全然違いますね。

見た目にもキレイな座り方になっています。これがいわゆる“体に負担がかかりにくい姿勢”です。

この姿勢で固めるのではなく、あらゆる関節は楽にしておきます。

腕や脚が動かしやすく、ピアノも弾きやすくなります。楽器の演奏をしない方も、勉強や仕事をする時にぜひ実践してみてください!

※骨の大きさや形等々間違っています。雰囲気だけつかんでください


まとめ

腰が落ちた座り方では「骨盤が後傾」し、首・肩・腰などに負担がかかります。反対に背中が反っても負担がかかります。※既にどこか痛めている方は、まずは適切な治療を!

腰を起こすことで簡単に改善できます!ここで言う腰とは、ズボンやスカートのポケットがついている辺り。大きな骨が後傾しているので、起こしましょう。

背筋が勝手に伸びて、浮いたかかとも勝手に床につきます。巻き肩も改善されます。見た目にもキレイに座ることができ、腕や脚が動かしやすくなります。ピアノも弾きやすくなります。

日常生活でもいいことだらけ!

ですが、良い姿勢でも悪い姿勢でも、「ずっと同じ姿勢」でいることが体に負担をかけます。適度に動いて姿勢を変えましょう。

長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

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