前回の記事から
前回のブログでは、子どもも大人も「今の手の大きさや体の状態に合わせて弾き方をアップデートしていきましょう」というお話をしました。
この記事の前編はこちら→子どもも大人も「体の変化」に合わせて弾き方をアップデートしよう
今回はその続きです。
私はつい最近、あまり良くないクセや思い込みに気づきました。今はそれを改めようと心がけていて、日常生活でもピアノでも改善されつつあります。
その事を先週、アレクサンダー・テクニークの先生にお話ししたところ、とても興味を持って聞いてくださいました。
先生にお話しした二つのことを書きます。これらの話は、原因は同じ。日常で何気なくしていることがピアノにそのまま出ちゃっているという好例(?)です。
話① 日常生活で分かった変なクセ
たとえばペットボトルを握って持つとき、手のひら全体がボトルに触れているはずなのに、実際に力が入っているのは指先だけ。まるで「つまんで」持っているような感じで、手のひらを十分に使えていなかったんです。
洗顔後にタオルで顔を拭くときも、手のひら全体がタオルに触れているはずなのに、顔に当てると指先だけにギュッと力が入っている。

それに気づいてからは、意識的に「手のひら全体で触っている」ことを確かめるようにしました。すると指先の余計な力がスッと抜けて、手全体でものを支えられるようになりました。
重い物でも、手だけでなく全身に重みが分散されるような感じで、以前より少し楽に持ち上げられるようになってきました。
余談:指はどこまで?
ところで、皆さんは指はどこまでだと思いますか?
ほとんどの方が、下のイラストの黄色い部分が指だと答えるでしょう。私も数年前までそうでした。

でも実は、指は目に見えている部分よりもずっと長いのです。次のイラストをご覧ください。指の骨は手首の近くまであります。

ちょっと実験。手の甲を見ながら、指をパタパタ動かしてみてください。手首近くまで動いているのが見えると思います。そこまでが指です。
手のひら・手の甲と呼んでいる部分のほとんどが、指だと言っても良いことが分かりますね。
話② 変なクセはピアノでも
ピアノを弾いているとき、いつも「手先だけで弾いているな~」と思っていました。指先だけで鍵盤に触れて、音を並べているだけのような感覚です。
ピアノの鍵盤に触れているのは指先ですが、「手のひら全体で触れているつもり」で弾いてみると、音の響きや手の感覚がかなり変わります。余計な力が抜け、ヒジや肩など他の部分も動かしやすくなりました。手がきちんと使えている気がします。

体験①の話と同じで、原因は指先に力を入れ過ぎていたこと。なので「手先だけで弾いている」という感覚は間違っていなかったと思います。
昔はレッスンでよく「心を込めて弾きなさい」とか「指先をしっかり使いなさい」と言われました。けれど私の場合、その言葉を真に受けすぎて「力む」方向に進んでしまいました。結果的に指先に集中しすぎて、体の他の部分には全く意識が向いておらず、「言われたとおりに練習」してもちっとも上手にならない。それどころか、あちこち痛い。
それを「もっと努力しなきゃダメだ」とか、「才能がない」とか思い込んでさらに落ち込む…。
これが“間違った努力”です。良い子の皆さんはマネしたらいけません!
「指先で弾く」とか「心を(間違った方へ)込める」という思い込みを手放して、「手のひら全体→さらに全身へのつながりを認識する」という意識にアップデートすることで、演奏がぐっと自然になってきました。体も痛くありません。
ともに成長していくレッスンへ
クセや思い込みに気づいて手放すことで、私の練習の仕方も弾き方もアップデートされました。それは生徒さんへのレッスンにも活かしていきます。子どもも大人も、そして私自身も。これからも変化を受け入れながら、より良い演奏の形をともに歩んでいきましょう。
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