ワンポイント楽典シリーズ、久しぶりの公開です!これまで拍と拍子について、6回にわたってお届けしてきましたが、今回は最終回です。
最後に取り上げるのは、「混合拍子」。珍しい拍子ですが、現代音楽や民族音楽などでは時々見かける拍子です。
拍子には「単純拍子」、「複合拍子」、今回取り上げた「混合拍子」の3種類があります。日常的に知らなくても困りませんが、音楽に親しむうえで、教養として知っておくと役に立つかもしれません。ただし、音楽学校受験希望者は、楽典は受験科目なのでしっかり覚えましょう!
単純拍子の組み合わせ=混合拍子
「混合拍子」とは、複数の単純拍子(2拍子や3拍子など)を組み合わせた拍子のことです。
たとえば、3拍子+2拍子や、4拍子+3拍子といった具合に、拍のまとまり方が均等ではありません。
普通の4拍子のように「1・2・3・4」と等間隔でリズムを取るのとは違い、拍の流れが「ゆらぎ」というか、独特なノリ(グルーヴ感)を生みだします。
この“ゆらぎ”が、音楽に独特の緊張感やスピード感を与えてくれることもあり、特に現代曲では効果的に使われることがあります。
代表的な混合拍子
今回のショート動画では、代表的なものだけを取り上げています。
◎5拍子
- 3拍+2拍、または 2+3
- 曲によっては、途中で3+2から2+3に変わったりもします。
5拍子の曲は意外とたくさんあります。例えば、「スパイ大作戦(ミッション・インポッシブル)」のテーマ曲。ジャズのスタンダード「Take Five」は、“5拍子”がそのままタイトルになっています。ホルストの「火星」も。
◎7拍子
- 3+4、または 3+2+2 など
- 音楽の内容によって、いろいろな組み合わせ方があります。
◎8拍子
- 3+3+2 など
- 均等に4+4ではなく、強拍の位置がずれていくことで独特のグルーヴ感が出ます。
拍子の表記は5/8、7/8、8/8などが使われることが多いです。「どうやって数えるの?」と最初は戸惑うかもしれませんね。曲によっては、ノリで覚えた方がいい曲もあります。
冒頭のBGMは生徒さんの演奏です。
「きらきらピアノ こどものピアノ名曲集 第1巻」掲載、ブレスラウアー作曲《おいかけっこ》。
弾いてくれてありがとう!今回は短くてごめんね。またよろしくお願いします♪